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※作品の下のコメントは、講師:田中光堂によるものです。
※コメント末尾の【 】印は、漆塗りを手掛けた塗師(ぬし)の名前です。
凡例: 【魁】…櫻井魁山 【圭】…宇田川圭介 【光】…田中光堂
『リンクの輪』のページに“塗師のご紹介”を載せてありますので、どうぞご覧ください!
※画像とコメントがずれる場合は、拡大率を100〜75%に設定し、ページの幅を広く開いてご覧くださいませ。m(_ _)m
【バックナンバー 一覧】・・・下記の日付をクリックすると、これまでに掲載した画像をご覧になれます。
*2011年12月1日掲載分(1) *2012年1月1日掲載分(2) *2012年4月4日掲載分(3) *2012年11月4日掲載分(5)
*2013年5月5日掲載分(6) *2014年1月5日掲載分(7) *2014年8月16日掲載分(8) *2016年9月1日掲載分(9)
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*以下は、2012年7月10日掲載分です。
【はじめに】
今回は、『道友会オールディーズ(:昔懐かしい作品集)』と題しまして、
会員諸氏の“一昔〜二昔前の作品”を中心に展示したいと思います。
ご案内する画像は、講師がまだ“フィルム写真”で作品を撮影していた頃のネガを、
ご近所の写真屋さんに頼んでデジタル化して、CDに焼き直したもので、
これまでとは画質のムードが少し異なるかもしれません。
カメラ音痴のためアングルやピントが不適正な画像もあると思います。
どうぞご海容ください。。。m(_ _)m
また、
“一作品ワンカット”のデータが多く、クローズアップの画像も添付できませんが、
その分、作品数はいつもより多めにご紹介できそうです。
創成期の会員諸氏の情熱の結晶を、ごゆるりとご高覧下さいませ。
“お店”ではなかなか見られない、
素人作品の“牧歌的な味わい”をお楽しみいただけたら・・・と思っております。
(↑)金魚文様の変形盆です。木地は、後藤齋宮先生の鳳凰文様の手刳り盆を下敷きに、腕達者な木地屋さんがルーター加工して作ったものらしいです。金魚をあしらうと、盆の輪郭が池のように見えるのが面白いです。 背景の“流し刀痕”には、2分丸刀で細かい水紋様の刀痕が打ってあります。【魁】 |
(↑)アカンサス唐草文様の角鉢です。 文様のアウトラインに沿って上下する上縁(うわべり)の起伏と、粒の揃った刀痕文様が絶妙で、かっこいいです。 鉢中の目の覚めるような朱色が、器物の存在感を引き締めています。 【魁+光】 |
(↑)山桜文様の御敷膳です。 “ドン深(ぶか)”に彫られた文様のアウトラインを、“古美粉(ふるびこ)”の灰白色が美しく縁取っています。 刀痕をはじめ、枝・茎・がく・花芯の細部も非常に丹念に彫られていて、見飽きることの無い、存在感のある仕上がりになっています。【魁】 |
(↑)大唐花文様の小判型の掛け鏡(長径1尺5寸)です。『全体にパ〜ッと明るい感じ』という方向で、キメ彫りの技法を応用しつつ、いろいろな花模様や蝶があしらわれています。 間近に見るとけっこう華やかで、迫力があります。 実物は、もう少し赤色の発色が“渋め”です。【魁】 |
(↑)“画狂人期”の北斎の「桜に鷲図」を、出来るだけ忠実にレリーフ化した作品です。(桜の“花”の部分のみ簡略化してあります。)翼と羽毛の彫り分けや、春の大空に飛翔する直前の老鷲の“枯淡の眼差し”を表現するのに苦労しました。鷲の足元の山肌は“金剛蒔き錆仕上げ”になっています。…やはり北斎先生は素直に“凄い”と思います。※この画像の右脚指の水かきは塗り間違えており、後で本朱の干口で塗り直したと思います。※画像がやや傾き気味ですが、補正すると画質が落ちるので、そのまま載せます。 【光】 |
(↑)片輪車に桜吹雪の文様の変形盆です。 “片輪車(かたわぐるま)”は、『牛車の車輪を水に浸けて“割れ止め”のメンテをする情景』とも、『観無量寿経の極楽の池の情景を図案化した意匠』とも言われます。 華やかで美しい織物系民芸調のデザインで、飾り盆として楽しめそうです。いろいろな古典文様を基に構成した作者のオリジナル図案で、見る人にデザインセンスの健全さが伝わってくる作品だと思います。【圭】 |
(↑)茶懐石用の角盆です。 中央の輪花(りんか)の中に八方刀痕を打ち、四方の隅に松葉の文様をあしらいました。五枚組の一枚で、他の四枚は、竹・梅・菊・椿の文様です。よく見ると中央の盆面に横に走る段々が観察できます。これは、木地屋さんのルーター加工の凹凸跡で、通常は全面刀痕を打つと無くなるのですが、この作品は刀痕が細かいため、うっすらと段々が残りました。お店の“商品”だとNGかもしれませんが、愛好家が永くが愛用する茶道具としては、風情があってゆかしいと思います。使い込んで、この段々がどんな感じに変容するか・・・ なんとも楽しみです! 【魁】 |
(↑)吉祥文字の文様の二段重です。 作者が選定した文字を、ご近所の書家の先生に書いてもらって図案化しました。墨の“にじみ”や“かすれ”の感じを出すのが一苦労でしたが、御目出度いムードの立派な仕上がりになったと思います。背景の柔らかい刀痕が、きりっとした文字の輪郭を引き立てています。中央の『和』の字は、作者のお名前からとりました。 見えないところの文字は“祥・風”です。 ちなみにこの木地は、すべてルーターで加工された“刳りもの”で、“コクソかいこみ”の必要が無かったので、塗りが少し楽でした。【魁+光】 |
(↑)梅唐草文様のパノラマ写真立てです。 複雑に絡み合った蔓枝が面白い和洋風のデザインです。【魁】 (↑)クリスマスベルと柊の葉の文様のパノラマ写真立てです。デザインは若い年代の方によるものだったと思います。華やかで、暖炉の上などに置きたくなる感じの作品です。【圭】 |
(↑)薄(すすき)の波と月兎の文様の硯箱です。図案は、当時80歳の会員がご自分でデザイン構成されました。ウサギは、古い蒔絵の銘品のデザインを下敷きにしたと記憶しています。懸命に彫られた刀痕が印象的で、使い込むと深い味わいが出そうな予感がします。 写真には写っていませんが、側面にもススキの文様が彫ってあります。【魁】 |
(↑)木蓮の文様の掛け鏡です。図案は、作者が色々な資料を参考に、ほぼ独力で構成したと記憶しています。かれこれ10年ほど前の作品で、フイルムが変質したためか、画質がザラついて残念ですが、実物はたいへん立派な仕上がりでした。細部の拡大写真を撮っておかなかったのが、悔やまれます。シックな色の背景は“うるみ漆”の干口塗り仕上げです。 【魁】 |
(↑)双鶴(?) と松竹梅牡丹の文様の堆朱盆を、模刻した作品です。 この作品も、画質がザラついていて残念ですが、実物は非常に精緻な彫り口でした。オリジナルの鶴の厳しい眼の表情が、ほぼそのままに再現されているのが、今でも印象に残っています。【圭】 |
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(↑)宝相華唐草(?)文様の角皿です。15年くらい前の作品で、たしか、古い“切れ地”(または蒔絵?)のデザインを、ほぼ忠実にレリーフ化したものだったと思います。 複雑な唐草の輪郭をなぞるように精確に彫るのは大変だったと思いますが、塗りも黒・本朱・洗い朱黄口の“三色塗り分け”で、非常に苦労した想い出があります。 生徒さんの素朴な味わいの彫り口を活かして、 ちょっと凝った“色分け塗り”を施したらどうなるか・・・実験的な試みを始めた頃の想い出深い作品です。【光】 |
(↑)仏通寺の牡丹唐草を部分的にクローズアップして、大胆に図案化した壁飾りです。この作品を展示会に出品した作者は、訪れた友人から『見てすぐに、あなたの作品だと分かった。あなたらしい作品だ』と誉められたそうです。 作者のおおらかな人柄が、デザインや彫り口に滲み出たということでしょうか。。。 同じ作品展の来観者の感想文には、海外(:たしかスペイン語圏)の方から「アールヌーボーのムードが漂っていて好きだ」と評価されていました。【魁】 |
(↑)桜文様の飾り盆です。 個性的なデザインで、配色もかなり派手に装飾された作品だと思います。 上縁は黒干口塗りの大艶、地(:背景)は同じく大艶消し、花弁は濃いめの堆烏塗り、葉とめしべと萼は本朱干口塗り、しべと葯は洗い朱黄口の干口塗り、蕾の花弁は本朱の大艶で仕上げられています。 実験的な作例で、好みの分かれるところだと思いますが、展示会では、ラテン系の海外の方からご評価いただいた作品です。【光】 |
(↑)菊桐文様の16角盆です。 中央の桐は“踊り桐”と呼ばれる伝統文様で、菊の花弁は薬研彫りと刀痕で表現されています。 桐は、うるみ漆の干口塗りと、本朱の大艶で塗り分けられています。 飾り盆として、バランスの良い仕上がりだと思います。 【光】 |
(↑)家紋尽くし文様の色紙額です。 画質が少しザラついていますが、平らな部分の黒の大艶と、地の部分の大艶消しと、家紋部分の半艶消しで、3色に塗り分けられています。 作者は、この配色と“市松文様”がお気に入りで、家紋の選択と図案構成をご自身で手がけられました。各辺の中央にある雪輪に頭合わせ15枚笹が、ご自分の家紋であったと思います。※アングルがかなり傾いていますが、補正すると画質が落ちるので、このまま掲載します。 【魁】 |
(↑)なでしこ文様の角皿です。 浅い浮き彫りに八方刀痕が打ってあり、地と文様は黒の干口塗りと洗い朱黄口の干口塗りで塗り分けられています。 中央の外向きに配置された蕾状の文様が、可愛いです。 飾っても使っても重宝しそうです。【魁】 |
(↑)おもと文様の丸盆です。 荒々しい地の刀痕と、柔らかい葉肉の彫り口が対照的で、飾り盆として人目を引く仕上がりになっています。 配色は、作者の意向で黒・緑・朱色の塗り分けにしました。画像では分かりにくいですが、中央の実は朱蒔きという塗り方で仕上げられています。【光】 |
(↑)蓮文様の壁飾りです。 作者が、旅先で撮影した蓮池の写真を下敷きに、デザイン構成して作品化したものです。 6ミリくらいの深さの地透きとキメ彫(:アウトラインの部分)の技法が、遠近を表現する土台として効果的に使われています。文様部分は本朱干口塗り、地は同じく艶消し、枠の部分は曙(あけぼの)塗りで仕上げられています。曙塗りは、“逆根来”とも呼ばれる塗り方で、朱漆の上に黒漆を塗って、朱色を夜明けの東雲(しののめ)のように研ぎだす手法です。 真っ直ぐに伸びた茎と、大きな葉、満開の花と花弁の散った花芯部分が、繊細な彫り口で表現されていて、 “風が吹くと揺れそうな風情”が漂っていると思います。【魁】 |
(↑)花菱七宝文様の茶托です。 画像が見にくいですが、花菱を取り巻く紡錘形の平らな地の部分は、半艶消し仕上げになっています。 中央には、作者の意向で、金粉をあしらいました。 茶碗を取ると同時に金色が現れる…という趣向で、来客を明るくもてなすさりげない心配りが込められています。 茶托は朝顔型の木地で、周囲は四葉にくずしてあります。【光】 |
(↑)梅花葉丸文様の花台です。 枠は本朱干口塗り、枝葉は洗い朱黄口、花は洗い朱淡口の朱蒔きです。 “バックナンバーのページ(その3)”に同じ文様が本朱干口塗りで載っていますので、見比べてみて下さい。 いずれを採るか好みが分かれると思いますが…塗り方ひとつで文様の印象がガラリと変わるものだぁ…とつくづく思います。【光】 |
(↑)10年ほど前の作品で、ディズニーキャラクターの“チップとデイル”の壁飾りです。 お嬢さんがディズニーの大ファンで、彩色入りの原画を担当し、お母さんが鎌倉彫として彫りあげました。 細部まで行き届いた精緻な彫り口に、お嬢さんの期待に応えようとする母親の愛情を感じます。 塗りは、お二人のご意向で、お嬢さんの彩色通りに“漆塗り”で仕上げることになり、塗師としては初めての経験で、たいへん苦労した想い出があります。 最も難しかったのが、“昼バージョン”の空の青さと、“夕暮れバージョン”のランプの光色(特に艶消しの純白の発色)で、これはもう一度頼まれても、二度とできないかもしれません。。。でも、とても良い勉強になり、今でも感謝しています。 ディズニーの絵が、ものすごくきちんと描かれていて、浮き彫りにしやすいことにも驚きました。 作者とお嬢さんだけでなく、塗師までディズニーファンになってしまった想い出の作品です。【光】 ※画質がかなり荒れていて、すみません。 家探しすると、もっと状態の良いフィルムが出てくるかもしれませんが、今日のところはこれでお許しくださいませ。。。 |
(↑)ヒマラヤの山岳風景の壁飾りです。(横幅50センチくらいです。) 作者が実際に現地で撮った写真を、鎌倉彫用の図案として再構成しました。 山肌の起伏を色々な丸刀で表現するのが難しく、特に中央の高い山頂の角張った刀痕を付けるのが、大変だった思い出があります。結果的には、畳みかけるような山並みの遠近感も自然に表現されて、すごく立派な仕上がりになりました。 この作品は、漆塗りも見事で、黒のグラデュエーションを巧みに配分した手法が、たまらなく魅力的だと思います。【魁】 |
(↑)梅文様の飾り盆です。図案は、尾形光琳の写生を鎌倉彫用にアレンジしました。 お盆も梅型で文様も梅…というのが可愛いです。 配色は、うるみ(:枠)・黄口(:枝・花芯)・本朱(:花弁・蕾)・黒(:背景)の四色塗り分けです。【光】 |
(↑)野菜尽くし文様の手付き楕円盆です。 クローズアップの写真がないのが残念ですが、それぞれの野菜はとても丁寧に彫られていて、見応えがありました。背景の刀痕が思い切りよく彫られていて、野菜の細工をうまく引き立てています。かぼちゃの段々の遠近感や、きゅうりのイボイボの質感なども手際良く表現されており、眺めても楽しい作品に仕上がっていると思います。 個人的には、玉ねぎの芽が伸びまくって垂れている風情に、自然な生活感がにじんでいて魅かれます。【魁】 |
(↑)麻の葉文様の写真立てです。 とても洗練されたデザインで、売り物にもなりそうです。文様の周囲を囲む細い薬研が、麻の葉全体を引き締めています。こういう表現を“紐をめぐらす”などといいますが、薬研彫りの習熟度が問われる作業になるで、思いのほか難しいです。塗りは、干口塗りの研ぎ分けを採用しました。 【魁】 |
(↑)クジャク牡丹文様の堆朱作品を、硯箱の甲板に模刻したものです。(ピントのぼけている部分はトリミングしました。)精確な薬研の威力に圧倒されます。余計な解説は要らないでしょう。大変な根気が要る作業で、立派な出来栄えです。【魁】 ※作品の全景がこちらにあります。 |
(↑)紗綾形文様とアゲハの家紋の手鏡です。 紗綾形は、薬研彫りの基礎力を問われる文様で、彫るのに根気も要ります。この作品は、深さも幅も申し分なく、とてもきれいに仕上がりました。家紋のアゲハも分かりやすくこなされており、飾って楽しめる仕上がりになったと思います。 塗りは、黒干口塗りと洗い朱黄口の塗り分けです。【光】 |
(↑)桜文様の飾り皿で、かれこれ10年以上前の作品だと思います。中央を梅型に仕切り、器物の輪郭も梅型にくずして、余白の5か所に薬研彫りで桜花と蕾を彫り込みました。中央は、黒漆にお抹茶色の漆を塗り重ねて刀痕を研ぎだし、枠の部分は黒の干口塗りに古美粉を蒔き残して仕上げました。 講師が個人的に好きな作品の一つです。【光】 |
(↑)牡丹文様の写真立てです。 図案は作者の純オリジナルで、ほのぼのとした温かみがあります。左隣の作品のカチッとしたデザインとは対照的ですが、このような素朴で素直な文様には、人に使い継がれる不思議な魅力があるような気がします。(歴史的に見ても鎌倉彫にはそのような傾向があります。)塗りは、平らな地を全面的に赤く研ぎだした、本朱干口塗りの研ぎ分けです。【魁】 |
(↑)日光東照宮の鳳凰文様の壁飾りです。 (サイズはたしか33cm四方でした)。 彫りは、薬研彫りと際彫りの連続で、やはり基礎技法の習熟度が厳しく問われる内容だと思います。この作者は、一点一画を大切に、澄んだ集中力を維持して、たいへん丁寧に彫りあげました。 塗りは――、本干口塗り研ぎ分け(:地と舌)、うるみ干口塗り(:尾羽と冠羽、黒眼)、洗い朱黄口干口塗り(:脚と嘴)、黒干口塗り(:背・肩・首の後ろ)、金剛蒔き錆仕上げ(:胴体〜首の前、眼)、金剛蒔き地仕上げ(:首の雲のスカーフ)――の6色塗り分けで、塗っていて肩が凝った記憶があります。 忘れられない作品の一つです。 ※斜め下から撮ったので作品が台形に見えますが、 実物は真四角です。 【光】 |
(↑)姫鏡6種です。姫鏡は、サイズが小さくて、一見、彫りやすそうですが、実際に彫ってみると細かい細工が多く、持ち手も不安定で、けっこう手こずる場合があるようです。この作品は、6つとも、会員生徒さんのオリジナル図案だったと思います。(…講師が絵を付けた記憶がありません。。。) 図案構成は、ちょっと見、難しそうですが、コツを覚えてしまうとそうでもないようで、良質のデザインを量産して講師をたじろがせる生徒さんもかなりおられます。笑 【魁・圭】 |
(↑)ばら文様の飾り皿です。 この作品は、地透き・薬研・刀痕で明快に構成されていて、デザイン的に気を抜いて自由に彫れる場所がほとんど無い感じですが、手堅くきちんと彫り上げられていて、塗りやすかった記憶があります。 塗りは――、黒の艶有り(:地)、同艶消し(:枠)、洗い朱黄口研ぎ切り(:花弁)、同干口塗り(:棘)、うるみ干口塗り(:枝)――、葉は一口では説明しにくい方法で仕上げてあります。 かなり奇抜な塗り色で、好みの分かれることろですが、実感としては、こういう配色を面白がる方が増えつつあるように思います。【光】 |
(↑)萩文様の写真立てです。 作者は、子供のころから『絵が苦手』と信じ込んでいて、構図を吟味するのが大きなハードルでしたが、この作品を手がける頃から、突然いろんなイメージが自然に湧くようになって、以後、良質のデザインを量産してみえます。 ……そういうことって、あるんですね。 いまだにデザインで難産している講師としては、うらやましい限りです。。。【魁】 |
◆こうして、あらためて振り返ってみますと、いろんな生徒さんの作品を手がけてきたなぁ、と思います。
長年やっていれば誰でもそうでしょうが、どの作品にも作者一人ひとりの思い入れがあって、
やはり『作品はなま物、生き物』なのだと思います。
デザイン・彫り口・配色ともに、それぞれの好みがあって、数学のような“正解”“不正解”が無いところが、
美術・工芸のおもしろいところかもしれません。
◆伝統工芸には、
時代が変わっても“変わらない部分”と、
時代ともに“変化する部分”があるように思いますが、
それぞれの“部分”が具体的に“何なのか”を教えて下さるのは、
結局のところ、同時代を生きる“身近な隣人の皆さん”なのかもしれません。
教室はそういう“善き隣人たち”の触れ合いの場であり、切磋琢磨の場でもあると思います、。
これからも、お互いを敬愛しつつ、元気に楽しく切磋琢磨し合って行きたいものです。
講師も、会員生徒の皆さんに、どれほど磨きをかけていただいたか……ほんとに、感謝感謝です!
◆今回ご紹介したほかにも、まだまだ沢山の作例がありますので、
今後また少しずつ、“オールディーズ”をUPして行きたいと思っています。
それでは、今回はこの辺で。
ご高覧、誠にありがとうございました!!
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